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次回公演は12月8日(土)です


夕暮れが日に日に早くなる今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか?9月の「通天閣」公演には、多数のご来場をいただき、ありがとうございました。また、たくさんのご感想も頂戴しました。いつもの道化座とはちょっと異なる舞台でしたが、西加奈子氏の原作に支えられ、どうにか無事に終えることができました。皆々さまのご支援に感謝いたします!

 

さて、12月はスタジオでの壺井栄/原作による「日向家の五人姉妹」です。ドラマは、父の三回忌に久々、実家の小豆島に集った五人姉妹が、ご亭主の愚痴やら家族のことで話が弾むのですが、稽古中の女性陣からも、なにやら実生活の可笑しげな?話しが飛び出し、笑いの絶えない稽古場です。女性が五人も寄れば、そりゃあねえ、ついピーチクパーチクですよねぇ。でも、いざ稽古となれば、皆、真剣! 只今、小豆島の方言と格闘中です。

 

話は変わりますが、道化座の斜め向かいの教会に、韓国から来られた牧師さん一家が居られます。その子どもたち兄妹はとても仲が良く、いつも二人一緒です。近所にお遣いに行くのか、まだ体の小さい兄さんが幼い妹を負ぶって二人して楽しそうに出かける姿を見かけました。妹を背負いヨタヨタしながらも、信頼に応えようと懸命に踏ん張っているお兄ちゃん。背中の妹はとても嬉しそうです。幼い二人の後ろ姿がなんともほほえましく懐かしさでいっぱいになりました。

 

そういえば、もうもう何十年も前になりますが、私も兄にくっついて遊び回っていましたっけ。そうそう、そんな時代もありましたねぇ、今よりも、もっともっと信頼し頼り切っていた幼い日が……。大人になるにつれ、照れやさまざまな思いも重なって、なかなか素直になれない妹です。最近は、肉親ですら心が通じずギクシャクして、世の中全体が、何故だか仲良くできない時代なのかもしれません。みんながみんな、素直に愛情を示すことができれば、もっと生きやすい世になるのかも? 壺井栄さんが生きた時代と今とは、かなりの隔たりがありますが、いつの時代にも通じる大らかな心で生きていたいですよね~。…… そんなことを思いつつ、稽古に勤しむ日々です。

 

というわけで、決してピーチクパーチクだけではない愛に満ちた?「日向家の五人姉妹」公演に、ぜひ、足を運んでいただければと存じます。またまた、応援をよろしくお願いしますね~! ― おおやかづき(馬場晶子)