「まほろば」とは「楽園」「理想郷」という意味のようですが、「まほ(真秀)」は「物事が完全であること」だそうです。この世は「男女揃ってこそ完全」なのですが、男が取って代わることのできない女の役割があります。それは子どもを宿し産み育むことです。育てるのは男も担えますが、誕生の瞬間から無償の愛として我が身から栄養を与え育むことは女にしかできません。なんといっても新たな生命の誕生はとても喜ばしいことで、女はその大切な役割を果たしているわけです。その割には女性は大切にされてないのでは? まあ、その問題はちょっと置いておくとして……。いくら平等といってもこの男女の差はあるわけで、そんな大切な役割を担っている、担わざるを得ない女たちには、埋めきれない性の差に対するなんとも複雑な思いがあるようです。
そんな性に対する赤裸々な思いを描いた男性による作品ですが、そこはそれ、可笑しみの中にもちょっぴり切ない思いに女性たちの逞しさをも加えた道化座流の作品にしたいと、只今、劇中の長崎弁と格闘中です。これがなかなか難しい!いつもの道化座の作品とはちょっと異なりますが、ぜひ、ご観劇いただきたいです。
ところで全くもって個人的なことで恐縮ですが、昨秋、突然、脚に激痛が走り歩けなくなりました。病院で診てもらったら、膝特発性骨壊死とのこと。「えー! 壊死!?」と仰天の思いでいると、先生が即、腫れた膝から水を抜く処置をなさろうとするので、早々にお断りして帰宅(痛いのはイヤ!)。それからは「水を抜いたら楽になるのにー」の声をひたすら無視、やれ杖だ、サポーターだと周りの方々にいろいろ助けて頂き、一時は何をするにも全て車椅子移動。体が思うようにならないのは、心の動きもストップしてしまうようで、新年のご挨拶もままならず、コロナ自粛も重なりスッキリしない日々でした。お蔭さまで、いまは多少腫れが残っていて正座は無理ですが、歩くにはほぼ支障なく、ひたすら筋力をつけるよう努めています。なので、今回のお芝居にぎこちない動きがあるやもしれませんが、頑張りますので、何とぞご容赦ください。
まだまだ緊急事態に蔓延防止と心落ち着きませんが、前向きに前向きに取り組んでいきたいと存じます。どうぞ、応援のほどよろしくお願いいたします!皆さまも、どうぞお身体を大切に日々健やかにお過ごしください。ご来場をお待ちしております!(※会場のIWAYAスタジオは空調設備を整え、50席限定で皆さまをお迎えします。お早めにお申し込み下さい。) ―馬場晶子