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9月 「わが家の客」 公演


2018年度中国演劇大賞ベスト「観客賞」に輝いた喩(ユー)栄軍(ロンジュン)の新作『わが家の客』を道化座が本邦初演します!

 

いつも道化座を応援していただき、ありがとうございます!今回は、小原延之さんを演出にお迎えして、中国ベスト観客賞受賞の「わが家の客」を日本で初上演します。黄昏時の老人三人による明日を懸命に生きようとする姿が、しみじみと感動を呼ぶ「もしも、もしも、あのとき……」の物語です。いつもの道化座とはガラッと趣異なり、大人のラブストリー仕立てです!それも、さまざまな音楽ジャンルで活躍中のチェリスト・シンガーソングライターの薄井信介さんの生演奏によるチェロの深い響きに支えられての舞台です。 

 

 

今回はステキなお二人との共演です。入魂の語り芸「うしろすがたの…山頭火」を長く演じられている熱いハートの林田鉄さん。低音のお声が、大震災で死んだはずなのに40年ぶりにひょっこり上海に戻ってきた馬識途役にピッタリ!それにちょっとした仕草がこれまたチャーミング!そして、夏満天役を演じるのはグッとカッコいい稲田喜之さん。夫である馬識途が震災で不明になった後、妻の莫桑晩が再婚した相手が稲田さん演じる夏満天。曲りなりにも平穏に暮らしていた莫・夏夫妻に、死んだはずの妻の元夫が突然訪ねてきたのだから、まあ大変! スラッと長身の稲田さんは、ちょっと頑固で皮肉屋だけど根はすごくいい現夫の夏満天役にピッタリです!

 

 

このお二人が想いを寄せるマドンナ莫桑晩役が恥ずかしながら私、馬場晶子です。恥ずかしい~ィ!と言いつつ、いつもにない趣向のお芝居、ぜひ、ご観劇戴きたいです。言い忘れてはならないのが、上海の超売れっ子劇作家喩栄軍さんです。若くして(今も若い!) 次から次にヒット作を連発、今や押しも押されもせぬ中国一の劇作家です。いつも穏やかで人懐っこい柔和な笑顔の彼は、道化座の前代表須永克彦とは年は離れていても、互いに認め合う、とても親しい間柄でした。

 

いま、積極的な外交を展開し世界にさまざまな影響がある中国ですが、激しく変化する現代社会を背景に、残された時間を懸命に生きようとする三人の姿は、政治的問題はどうあれ、国を超え、私たちの心に深く響く作品です。今回、出番のない道化座の若者たちも、老いたる出演者たちをしっかりと裏で支えてくれています。まだまだ予断許さぬコロナ禍、皆さま日々たいへんなこととは存じますが、引き続き、道化座への応援を、どうぞ、よろしくお願いいたします!道化座一同、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。 ― 劇団道化座 馬場晶子