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新年のご挨拶


2024年「明日の風」公演写真
2024年「明日の風」公演より

新しい年が明けました。

旧年中、皆さまにはたくさんのご観劇をいただき、ありがとうございました。

 

今年、道化座は9月に前代表須永克彦7回忌公演「母の肖像」を、来年2月に「スーホの白い馬」を自主公演の予定です。その他、小中学校、高校などでの移動公演を、また夏までに基礎講座生を中心に座内での発表会を予定しています。道化座一同、少しでも皆様に喜んでいただける舞台を目指し、励んで参りたいと存じます。どうぞ、変わらぬご支援、ご鞭撻をお願いいたします。

昨年もいろいろありましたね。

地震と豪雨に見舞われた能登の復興は遅々として進まず、ウクライナの戦闘も収まる気配なく、ガザでの虐殺はますます残虐さを増し、見過ごされてきた誤魔化しや嘘が明るみに出る一方で、いまや人々を翻弄するフェイクニュースによる選挙がまかり通る世の中です。年々、予想もしない出来事が起こり渦巻く不安に、私たちはいま激動の時代を生きているのだなあとつくづく感じます。

 

今日、手元にアメリカのクリスティン・オールソンという方の「互恵で栄える生物界」という本が届きました。先日、新聞の紹介欄に書かれていた「利己主義と競争の進化論を超えて」という副題に惹かれ取り寄せました。まだほんの少ししか読んでいませんが、昨年の「明日の風」を上演するにあたり、NHKの「超進化論」やその他の書物から植物はじめ地球上のさまざまな生物が互いに助け合い支え合って生きていることを知りました。

 

地球上に生命が誕生して以来、さまざまな進化の過程を経て私たち人類に至りました。私たちは他の生物同様、自然界に生きる一生物でしかありません。でも、便利さや経済的豊かさを追求するあまり、他の生物より優れた叡智を活かすことなく自然界の一生物であることを忘れ、この宇宙に奇跡的に誕生した生命の基である地球を破壊しすぎたようです。地球とて日々進化する生き物です。この先、自然に備わっていた調和を乱されバランスを崩した地球は、一体どうなってしまうのでしょう。

阪神・淡路の震災から30年ですが、あの予期せぬ地震は自然の摂理を無視し地球を破壊し続ける私たち人類への警告だったように思います。その後も、私たちに地球上の一生物であることを思い出させるために東日本、能登の大地震があり、いまも世界中で人災ともいえる自然災害が起こり続けているのではないでしょうか。いつそれに気づき、いつ生き方を大きく変えることができるのか、私たちは自然界から厳しく問われているようです。

 

いまや、誰もがいつどこでどうなるのやら、すべてが他人事や対岸の火事では済まされない時代です。いまから間に合うのかと不安に駆られますが、決して遅いということはないはずです。“利己主義と競争の進化論を超えて”、“互恵で栄える”ことを願い、ともに生きる新たな時代を目指ざす人々は世界中に大勢いるはずですから。この先の行方を決めるのは一権力者ではなく、私たち一人一人の覚悟と決意なのだと思います。

 

さあ、今年はどんな年になるのでしょう? 覚悟と決意を自らに問いながら、どんな時代になろうとも、希望を失うことなく進んでいきたいと思います。

 

佳き年になりますように!

佳き年にしていきましょう!

 

遅まきながら新年のご挨拶とともに、震災30年、徒然なるままブログを更新させていただきます。

 

代表理事 馬場晶子