須永克彦(渡辺鶴)傑作選
劇団道化座<幸福>シリーズ
平凡な家庭に次々に降りかかるトラブルの数々。大爆笑の内に、現代家族が抱える問題を優しく解きほぐす愛の物語!道化座流のユーモアたっぷり、明るくパワフルに、今、生きていることの大切さを描きます。
【春の夜】
今日も大山家は、祖父と母の二人だけの夕食。浪人生の次郎は、母に、百万円の借金を頼む。働き蜂の父太郎が帰宅。怒る父。逃げる次郎。突然、次郎の彼女斉藤京子が訪れ、「私、次郎君の子供を産みます」と宣言。呆然とする家族。
【夏の夜】
京子との結婚も秋に決まり、バイトに懸命な次郎。長期の海外出張に大抜擢と大喜びの父が帰宅。次郎の結婚式にも出席しないと無責任な父。ついに母の堪忍袋の緒が切れた。祖父も母の味方だ。酔っぱらって帰ってきた次郎が「京子に騙された」と告白。そこへ弘子が帰ってきて「私、赤ちゃんを産むわ」。相手は誰?「私とお祖父ちゃんの子」!?!
【秋の夜】
もちろん、杢太郎の子ではなかったのだが、頑として相手を隠す、産み月も近い弘子。一方、ボケが始まった杢太郎。深夜、祖父と孫娘とのラーメンパーティ。二人で夜空の星を眺めながら、穏やかな一時を過ごす。突然、産気ずく弘子。大騒動の末、無事出産!!「この子は私の生まれ変わりや!」生まれた會孫に自己を託す杢太郎。季節外れの雪が降る。…新しい無垢の生命が、白い雪の産着に包まれて…暖かく見守る家族。