第53回岸田國士戯曲賞に輝く蓬莱竜太作品
いつの時代も変わらぬ女たちの幸せさがし。女たちよ、辛抱苦労を乗り越えて、どこまでも愛せよ!! 父を、母を、恋人を、夫を、子どもを、兄弟姉妹を、友を、隣人をそして、我が身を!すべての生きとし生けるものを!!
長崎の田舎町、祭囃子と神輿の声がかすかに聞こえる昼下がり。この地で何代も続いてきた藤木家の居間。村の男衆をもてなす準備に忙しい母ヒロコは、見知らぬ子供マオが居ることに驚く。聞けば、次女キョウコに連れて来られ、父親を待っているという。父親が誰だかわからない娘ユリアを産んだ次女にまたしても男の影?!
東京に出て跡取りを連れて帰ってくることを母に期待されている長女ミドリ。が、昨夜突然、泥酔して帰ってきて大暴れ。そんな娘たちにヒロコは苛立っていた。そこにユリアが前触れもなく東京から帰って来た。祖母タマエも加わり、藤木家の居間に集う女たち。彼女たちに、いったい何があったのだろうか?